2018年5月12日(土) ツラツラとグラフ

●今年になってから、「生育不良の茶園、株が作れなくて、収量が全く取れない。液肥管理でやってみたいのだけど」という相談を受けて、今年の一番茶期に点滴型かん水施設が整備された圃場で調査が出来た事は僥倖であった、と思っている。本来は、生育不良状況のベースデータを確認して、それに対しての対策提案を実施するべきなのだが、現場は常に動いていて、そんな茶園も当たり前にお金にしていかなくてはならないので、液肥処理と調査を並行しながら実行。圃場が7区画に分かれていて、それぞれを経時枠摘み調査で連続データ化。それらの比較をして、色々な事が見えてきている感があり、久々に楽しい一番茶期であった(その分、一般ジム仕事が後回しになっていたりして苦しい状況ではあるのだが)。
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□圃場の地形、土壌の性質から、基本、排水不良による根圏生育抑制があちらこちらで発生し、茶樹が大きくなれない状況になっていると判断している。うね間施肥管理では、その位置に根がない訳でいくら肥料を施用してもその吸収利用率はしれている、と考えられる。そんな意味での土壌改善による樹勢回復については、二番茶期以降の中で対応をしていく予定であるが、今回は、一番茶期に樹冠下の根圏を対象とした液肥処理をしながらの中で、区別の生育状況を確認。区間差と、その収量要因等の姿が見る事ができたのが、調査をやった甲斐があったというもので。
H300511①
□区毎の枠重量の推移。Cの良好性とDの不良性が顕著。
H300511②
□区毎の枠摘み芽数推移。Cの良好性要因としての摘採芽数が他区に比べ確保されている事が大きい。そして全体において、芽数の少なさの要因は、昨年度、茶園の中切り更新を行っている事、それに対して秋整枝時点での株面が構成が、生育不良要因も重なって確保されてない事などから、超芽重型の芽づくりになっている事が大きい。
H300511③
□そんな意味で、最終枠摘み時点(その2日後に、実摘採が行われている)での出開き度が進まない理由も、超芽重である事が大きい。一方で、状態の悪いD圃場については、樹勢低下後の二次的影響であると判断される病害虫の発生等による欠株等の影響も甚だしく、摘採面に芽が出てこれない状況も散見される。
●一番茶実摘採では、10a当たり350㎏平均。昨年が平均100㎏程度しかいかなかったという話をベースに考えれば、中切り効果なのか、液肥効果なのか、検証は更に必要であるが、回復は見られているし、枠摘み調査と摘採後の残葉状況等を確認すれば、実収量はおそらく平均500~600㎏/10aは確保されただろうと推察している。とはいえ、一番重要なのは茶樹生育が確保されない事(大きくなれない)なので、その点の改良は単に液肥管理のみではない、という視点は外せない。
●一方で、収量性と作るお茶(販売するお茶)の考え方としては、現在の茶業情勢で見れば、基本、安いお茶需要は顕著である事から、収益性向上のためには、面的収量性の確保が必須であり、そんな意味で、量産可能な茶園づくりを検討する良い素材であると考えている。二番茶期も区毎の枠摘み調査は継続するため、園主とは、二番茶ではエンドポイントまで引っ張った収穫を検討して掛け算(収量×単価=収益)での収益積み上げを図りつつ、施肥改善による肥料コストの見直しによる手元にお金が残る形を、というような話をしているのだが。
●それにプラスして、高濃度液肥の品質及び収量への影響性確認も行えるのだから、これほど良い事はないのだが。
●併せて、久々の新しい枠摘み調査データが積み上がるので、それをまた色々と捏ね繰り回して、新しい知見を吸い出していきたいと思っている。
●そんな意味で久々に、PRISMを使用してのグラフ作成。最終枠摘み調査時点における区間比較。
H300511④
□枠重量と芽数の関係性グラフ。前の継時グラフで分かるのだが、摘採芽数自体は、最終調査時点の2週間前にほぼ決定している。生育重量増加に伴い芽数が増加するというのはある意味で正しく、ある意味では間違っている。実芽数と摘採芽数の違いが大きいのだが。そんな意味でのCの突出性。秋整枝後の株面状況が違い過ぎるのだからしょうがないのだが。一方で、超芽重での収量性に対するエンドポイントなのか増加速度なのか、その辺りのプラトー感が何となく漂っている感じはしているが、出開き度等から考えれば、全く個としての芽はエンドポイントに達してないので、結局、経過状況データでしかない訳だが。
H300511⑤H300511⑥
□出開き度と枠重量、枠芽数の関係性グラフ。CとDを除いた区の状態については、圃場立地要因等を考慮しながら、その生育不良性要因を個々に確認していかなくてはいけないのだが、やはり、同日収量性がほぼ同一の中で、芽数性なのか、芽重性なのか、そして、ここからの生育推移はどうなっていくのか、という予想が可能になるような調査等を今後していく必要がある。
●この圃場においては、従来の肥培管理の視点ではなく、全く新しい形での「目的生産可能な茶園づくり」のための肥培管理法を確立するつもりでいる。そんな意味で、二番茶期も予想する中で推移してくれると嬉しいな、と思いながら、一方で、全く想定外の結果が出てくれても、それはそれでワクワクするのでいいのだが。
●本当に、こんな事ばかりやっていられたら幸せなのに。お茶の製造についても、また、整理をしよう、今年の経験も踏まえて。
●硫安液肥おくひかり、を飲む。この雑味のない味わいは、やはり揉み方に起因するのか。粉さない製造をするための考え方、技術。製茶機械も大事だなぁ。
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[ 2018/05/12 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)

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