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2015年1月24日(土) 搦め手、そして本質を

●今日明日は久々に活動のないお休み。そのため、朝からお茶を淹れてみたりする。
●まずは、そろそろ花粉の季節。5年前に旧川根町のお茶屋さんと共同茶工場と連携して、機能性を持った美味しい粉末茶つくりましょう、という事をやって。「べにふうき」という紅茶系品種を煎茶にすることで、メチル化カテキンという花粉症の症状を緩和する成分が多く含んだお茶がつくられるのだが、元々紅茶系のため、渋くて飲みづらい。そんな中で「かなやみどり」という煎茶系品種(「香駿」の片親)にも「べにふうき」の6割程度のメチル化カテキンが含有されている、という研究文献等から、「かなやみどり」を使った粉末茶をつくってもらいました。味わいはまろやかで飲みやすく、そして花粉の初期症状には緩和作用がある事は自身の人体実験で確認。今では、毎日持って行くマイボトルに、これを一本入れ、そしてそこに煎茶を注いで(500ml)、一日ダラダラと飲む、という事を何年か続けています。結局、続けられる味わいでないといけないんだなぁ、とこの商品で感じさせられた、という事で。
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□基本、煎茶+で粉末を飲む形。これは湯量が少ないので、濃厚に出ていますが、500mlに一本だとそんなに感じません。深蒸し茶、という事ではないので、色のわりに、青臭みもなく美味しいです。
●そして、先日、呈茶させて頂いた川根釜炒り茶をグラス飲みで出して見る。グラス飲みを大幅に普及させようと考えている訳ではなく、一つの飲み方提案。実際に飲んで頂いての感想で「茶葉が口に入り不快」というものも散見されるのも事実だし、味にどうしても濃淡が出るため、本来は急須で淹れるべきだと思う。ただ、このようなヴィジュアルインパクトや一口目の感動、そして手軽さ等は検討すべき要因だと思う。
●川根釜炒り茶、自分が関わって7年だけど、初期に比べ大幅に技術向上はなされている。そして更なる進化を狙って。淹れてみたのはH26釜炒り茶香駿[№18]。番号は篩番手を指しているが、仕上げ調整の段階で釜炒り茶でどこまでやれるか、とY道釜炒り先生と話をして作ってみた試作品。芽が大変細かいため、グラス飲みにすると幾何学模様的な広がりを見せて、大変格好いい。ただ、歩留まり等を考えると商品にはなかなか難しいのだが。技術向上の一環かな。
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□川根釜炒り茶香駿[№18]。シャンパングラスでこれほど格好よく映えるお茶はないなぁ。
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□茶葉の開きで色変わり。そして、この透明に近い水色の一口が至福。
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□最後はお湯出しで。やはり香りが立つお湯淹れの方が香駿はいいなぁ、と思う。
●粉末も釜炒り、そしてグラス飲みもどれもも搦め手、だという認識は持っています。でも、やはり色々やってみないと分からないし、実際に釜炒り等も目の前で説明して飲んでもらえば、20%程度の確率で購入希望がある、という今年のイベント実績。お茶は飲んでもらって、理解してもらってなんぼだなぁ、と本当に思います。
●一方で、昨年試験をやってみた芽茶づくり。この時期に取り出して見ると、良い感じに枯れた熟成の香気がたっていて、面白い。製造自体はそれほど難しくはないが、一心1葉のため、収穫がなぁ。でも、個人的に楽しむのには十分。特に後熟を狙うのなら、高含水率状態での保管とその後の腐敗止め乾燥のタイミングが重要だな、とこれもミニ試験で感じた事。お茶は絶対に面白い。でも、来年度は、・・・。
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□これは「べにふうき」のシルバーチップ様。芯のシルバーと葉の黒の対比、そして香気の甘さが素晴らしい。
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□こちらもシルバーチップ様だが品種は「静7132」。葉が黒ではなく、やや赤み系になる。香りもどういえばいいのか、ちょっと梅干しの紫蘇っぽい。萎凋と発酵の仕方の問題だとは思うが。
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□これは、高含水率状態で、期間熟成させて、腐敗止め乾燥処理をしたもの。乾燥レベル自体が高くないので、止め乾燥後も塾生は進んでいる香気がプンプン。これを上手くやると面白いお茶になるんだろうな、と思っている。来年試験をするなら狙い目。ただし、やれる環境にはいないと思う。
●こんな事ばかりして過ごした一年、二年。かなりの自由度高くやらせて経験をさせて頂いた恩返しも出来ずに、川根茶からは離れてしまうと思うと寂しい限り(今の時点では、全然、4月からどうなるかは分からないけど)。ただ、お茶の奥深さを思えば、まだまだ色々とできるはず、と思うし、お茶ダメだお茶ダメだ、と言っていたら本当にダメだ、と思う。
●何にしても色々と行動するしかないわけで。[10:15]
●先日の呈茶イベントの際、間違って持ってきてしまった電源コードを開始に、伝馬町のカルチャーセンターまで。実家の傍なので、実家に車を置いて少し歩いて行く。昔とは大分様相が変わってしまったけど懐かしさは変わらない。入ってみたくなるお店も幾つもあり、歩いてこんな処へ来れる場所がうらやましくなる。[14:00]
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□伝馬町商店街。まだ商店というか店舗が幾つも残っているんだよなぁ。
●今日の一冊。静岡県経済連茶業部[編纂]『月刊「茶」誌掲載-山間地茶業のあすを考える-』【1986年発刊】。本棚にあるこの本を読み返すと、30年以上前の山間地茶業の在り方に強い思いを、茶業生産者が持っていた事が分かる。そして、今の時代も、その掲載されている方々は同じ熱い思いを語っていらっしゃる。そして、これらの書きとめられた文の中に、今の技術や茶業の在り方についても示唆をもらえる言葉が連なっている。今を先を、も大事だが、再度昔に立ち返る原点回帰も重要だと。お茶の技術、再考すべき。
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[ 2015/01/24 ] お茶 | TB(0) | CM(0)