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2013年1月7日(月) エンドポイントをどう捉えるのか

●さて、本当に正月休みが終わってしまった。今日から真面目に仕事頭に切り替えをしないといけない。しかし、寒いのは変わらず。今日から仕事始めの関係事業所も多く、半日かけて現場を回り、残り3カ月の年度内仕事の調整を実施。あっという間に3月になってしまうのは毎年のこと。
●茶樹の栽培等関連調査の場合、一般的に収量調査、というのが幅を利かしている。それは、同日にうねの何mかを収穫し(帯摘み調査ともいうが)、その収量とその茶芽状態を調査するもの(収穫する直前に枠摘みをして枠内茶芽状況を確認するパターンが主流であるが)。この調査の利点は、農家現場で言うところの「収量(反当たり)」というものが明確になるところ。あと、枠摘み調査の中で芽長や葉数という時間ばかり掛かる調査をして仕事をやった気になるところ。悪いところは、1点調査のため生育差の反映が難しいところ(出開き度や上でいう芽長や葉数が生育状況を反映していると判断する場合もあるが)、調査反復数が限られるところ(収量調査はせいぜい3反復が限界)。一度受け持った圃場が4処理に対して、2処理はその他2処理に比べ極端に生育が早く、同日調査では、絶対的に収量性が高くなる結果になっていて。そこから茶期間経時枠摘み調査という手法を始めたきっかけでもあるのだが。そんな圃場も10年分のデータをため込むとそれなりに関係がみえなくもない。が、グラフは単純に10年分のデータ(kg数は窒素施用量、Fは一番茶、Sは二番茶を示す)の10a(1反歩)当たり生葉収量の平均値。昔はこうして棒グラフに標準誤差を入れればいいぐらいに思っていたが、今見るとこのグラフ何も示していないし、何も語りかけてくれないと思う。それに収穫時点をエンドポイントとしてもそれに至る経緯は全く反映されない。
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とりあえず、データを点に置き換える。これだけで見えてくるものが全然違う。当たり前に同じように収量調査をやっているつもりでも(1点調査であるが)、これだけ同処理間でばらつくものをどう判断すればいいのか。現地試験でよくある100kgの生葉収量差があるから圧倒的に差がある、みたいな自信満々の技術員の話を聞く度に本気でそう思っているのかな、と悩んでしまう。
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併せて、全窒素含有率のグラフも。今までの多くの先達の方々は、この収量と全窒素のデータを並べて、それぞれが多いだ、少ないだ、というような語り方をしていたのだが。
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個人的にはやはり、このような置き換えをしたい。10点データの上、ばらつきが大きすぎて、直線のfittingも適切ではないが、ものすごく大雑把な傾向は示してくれる。それに基本「収量の増加に伴い、窒素含有率は減少する」という関係性は明確である。そして収穫時点をエンドポイントと考える場合、このグラフならそこに到達するまでの時間的経過を含めた妄想を膨らませてくる。窒素含有率≒品質とは言うつもりはないが、窒素傾向が一つの指針には成りえると思っているため、大きな意味でのスクリーニングとして捉えれば、年次により同一圃場においても、収量性等に差が見られる事は明白である。その上で、そこをスタートラインとして、その要因解析に入っていく事が必要ではないかと思うのだが。このように昔のデータを整理してみると色々と面白い。
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●今日の一冊。永田照喜治著「」永田農法おいしさの育て方」【2002年,小学館,¥1,500+税】。「永田農法」の名前は多分高校生の時に読んだ「美味しんぼ」で初めて知ったのだと思う。その後、就職してからその栽培法の思想に触れる部分はあったが、自分的にはお茶をやる上でのネタとしての活用を常に考えていたと思う。今でも思うのだが、何故乾燥の弱ストレスが根の生育を促進させるのか、という点で、まだまだやるべき手法へのネタ的発展性を持っているような気がするのだが。本自体はその他著書に比べても変な信仰も入らず、野菜栽培の参考図書としても十分使えるものであると思う。
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[ 2013/01/07 ] 植物 | TB(0) | CM(0)